1. HOME > 
  2. ニュース一覧 > 
  3. 龍王丸

  龍王丸

龍王丸

2014年03月13日

釣好きの天心は、ボストン美術館の勤務の合間にも海釣りに出かけていた。そこでヨットの性能に強く魅かれた天心は、五浦で使っていた和船の改良を思い立ち、明治44年までには、ボストンの関係者と相談して龍王丸の10分の1の模型を製作していたらしい。大正元年夏、天心は平潟の「金大工」こと鈴木金次郎にその模型を預けて渡米。大正2年4月に帰国すると飛んで帰って出来具合いを確かめ、その日のうちに関係者数人を招いて慰労の宴を張り、翌朝にはスズキ釣に出かけたという。天心の愛息、一雄の記憶によれば、それまで愛用のかもめ丸と数キロ先の漁場から並走し、龍王丸は30分も早く五浦に到着したという。真鍮製だったというセンターボートは戦時中に供出されて形状は不明だが、舷側と船底は当初の部材が使われていて、和魂洋才の天心の思想を具体的に見せてくれる。