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  秋景

秋景

2014年01月15日

この作品の水墨と金泥の使い方を見ると、彼が風景の本質を光に感じる繊細な画家であったことが分かる。月の光に照らされて白く浮かび上がる花影と、螢の小さいが強い光との対比に目をつけた武山のデリケートな感性の賜物である。金泥による鋭い葉影と、宗達流のたらし込みによる水墨の柔らかな葉影が、晩夏と初秋、夕暮れと夜の入り交じる複雑な季節と時刻を感じさせる。逝く夏の螢の光と足だけを見せる秋の虫の音も対比的に表すなどの工夫も細かい。小品ながら武山の力量を示す佳作と言えるだろう。