「光と影の画家」として知られるレンブラントは,生涯にわたって精密さや質感を追求しながら物語画や肖像画に取り組みました。本展は,レンブラントの人生に暖かい陽光を降り注いだ妻サスキアおよび彼女の出身地フリースラントとレンブラントについてご紹介します。21世紀初頭まで農夫の娘と考えられていたサスキアは,フリースラントの中心地レーウワールデンの名士の娘であることが明らかになり,サスキアの財産がレンブラントの画業を支えたと考えられています。本展は,サスキアに焦点を当てることで,こうした見方に対して補足をしながら,レンブラントにとってのサスキアとフリースラントを再考するものです。
油絵のみならず版画を精力的に製作したレンブラントは,版画の刷紙として和紙を好んで使用しました。ユネスコの無形文化遺産の一つである和紙の主たる原料は,楮(こうぞ),三椏(みつまた),雁皮(がんぴ)の3種類です。会場には,和紙比べコーナーも設置しますので,見て・触って・比べても,本展をお楽しみください。なお,本展は岡倉天心の活動拠点であった北茨城・五浦で設立された研究所を前身とする茨城大学五浦美術文化研究所の所員企画展であることから, 当研究所所蔵の日本画の中から五浦の海を連想させる酒井三良の《海》も展示いたします。また,五浦美術文化研究所長によるレンブラント《広つば帽を被った男》の模写も展示いたします。
ぜひお誘いあわせの上,ご来場ください。
五浦美術文化研究所所員企画展2024
レンブラントのフリースラント―妻サスキアの故郷―展
会 場:茨城大学 図書館 本館1階 展示室
会 期:令和7年1月22日(水)~1月31日(金)
※1月26日(日)は,閉室日となりますのでご了承ください
開室時間:10:00~16:00
※1月25日(土)は,11:00~開室となりますのでご了承ください
令和7年1月14日
茨城大学五浦美術文化研究所