横長の大画面に秋の草木を描く。右隻の中央にたわわに実をつけた柿の木を配し、枝は上半と左隻の右半(向かって)までに及ぶ。根もと付近に向日葵と葉鶏頭が描かれ、小鳥が一羽餌をついばんでいる。左隻は右半に篠竹十数本、中央下半から左にかけては葉鶏頭と栗が描かれ、柿の枝先に小鳥を止まらしている。本紙(絹地)は裏に金箔を押して画面全体を薄い金色地として、下地を施さずに草木等を比較的薄く顔料を用いて描く。全体に暖色系統の印象を示し、ことに薄金色の空間部分が効果的で、いかにも秋の小春日和の雰囲気を漂わせている。この作品は、大正3年に日本橋三越で開催された再興美術院第1回展覧会に出品したもので、武山の代表作のひとつに挙げられている。


